第33回6月8日(月)

大分臨海ロータリークラブ

会長の時間

今週の会長の時間は、おにぎり(おむすび)の形についてです。
皆さまは、おにぎり(おむすび)がなぜ三角形なのかご存じでしょうか?
先日、娘から突然聞かれて「並べやすいからじゃないの」と咄嗟に答えたのですが、気になって調べて
みると、「歴史」「文化」「技術」の3つが折り重なった、意外と深い理由があったので紹介します。
1.山のかたち:三角おにぎりの神聖なルーツ
おにぎりの三角形を語るうえで外せないのが、山を象った形という説です。
日本神話や民間信仰では、山は「神が降りる場所」「祖霊が宿る地」とされ、信仰の中心にありました。
そのため、山の形を象ることは「神聖な力を授かる」ことに繋がると考えられ、山型に似たものは縁起の
良い象徴としても扱われてきました。この考え方は「おむすび」の語源の一つとされる「産霊(むすひ)」=
「命を生み出す霊力」とも深く関係しており、山型のおにぎりを携えたり、供えたりすることは、「旅の安全を
祈る」「田畑の実りを願う」「暮らしの安泰を祈る」といった願いを形にする行為でもありました。
実際、石川県の「杉谷チャノバタケ遺跡」からは、弥生時代の日本最古とされる「チマキ状炭化米塊
(おにぎりの化石)」が発見されており、これも三角形だったそうです。
2.三角おにぎりの持ちやすさ・食べやすさ:形の知恵
人間の手は、親指と残りの4本の指で物を包みこむとき、自然と「三角の空間」を造るようにできています。
この形は、「三点で支える」構造になっていて、ご飯を握るときに最も安定する形なのです。また、三角
おにぎりの中心には、具材を入れる空間が自然とできるというメリットがあり、手で形を整えると、角は
押されて表面が締まり、中心はふっくらという構造になるため、具が偏りにくく、どこから食べてもバランス
よく味わうことができます。さらに、三角形は食べるときにも実用的で、角からかじることで自然と中心の
具に向かって食べ進められ、最初の一口から具材に近づけるという心理的メリットもあります。
3.コンビニが決めた定番:三角おにぎりの全国制覇
現代の日本で「おにぎり=三角」というイメージが完全に定着したのは、コンビニの登場と普及が大きく
関係しています。家庭では丸型・俵型も一般的だったにもかかわらず、街のどこに行っても売られている
コンビニおにぎりはほぼ三角形。その背景には、包装技術・衛生管理・量産ラインの仕組みなど、食品
産業の「技術的な必然」があり、コンビニが求めた4つの条件、「運送中に崩れない安定した形」「海苔が
湿気ない包装構造」「工場で大量に作っても品質がブレない形」「棚に並べたときに見栄えが良い形」を、
すべて満たしたのが三角形だったそうです。
おにぎりの形で三角形が目立つようになったのは、1970年代のコンビニの普及以降のことで、実は
長い歴史の中で最近になってからのことなのです。
以上、今週の会長の時間でした。

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