会長の時間
今週の会長の時間は、エアコンの2027年問題についてです。
2027年4月1日より、壁掛け形エアコンに対して「新省エネ基準」が全面的に適用されることは、最近の
ニュースなどで知っている方もいらっしゃるかと思います。この制度改正により、2027年4月以降、基準に
達しないエアコンはメーカーによる製造および販売(出荷)ができなくなります。現在、市場に流通している
低価格帯モデルの多くは、この新基準を満たしておらず、「低価格帯のエアコン」が事実上市場から無く
なっていき、製品価格が大幅に上昇することが確実視されています。
これは、日本政府が掲げる、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする(カーボン
ニュートラル)」および「2030年度までに2013年度比で温室効果ガスを46%削減する」という国際的な
公約の中で、産業界(工場など)での省エネが進む一方、住宅やビルなどの「業務・家庭部門」の
エネルギー消費量は削減が遅れていたこと、そして、日本のエネルギー消費全体の約3割を建築物が
占めているため、ここにメスを入れない限り目標達成が不可能であることから、基準が大幅に強化され
ました。
また、省エネ基準を満たす(=断熱性や気密性を高める)ことは、単に「光熱費を抑える」だけでなく、
居住者の健康に直結します。
日本では冬場の入浴時、温かい部屋から寒い浴室への移動による「ヒートショック」で亡くなる方が
年間多数(一説には交通事故死より多い)います。家全体の断熱性を高め、部屋ごとの温度差をなくす
ことで、このリスクを激減させられます。また、結露によるカビ・ダニの発生を抑えることで、アトピーや
喘息の改善につながることが分かっています。国民が健康に暮らせる家を増やすことは、国の社会
保障費(医療費)の抑制にもつながります。
つまり、「地球環境を守るため(脱炭素)」という大義名分と、「国民の命と健康、そして財産を守るため」
という実利的な目的の両方を、国を挙げて進める必要があったため、新省エネ基準が設けられました。
では、具体的にどのくらい費用の違いがあるのか?家電量販店を何件か廻って調べてみました。
10畳用のエアコンで新省エネ基準達成率が86%の場合、価格は約11万円くらいでした。同じ条件で
新省エネ基準達成率101%の場合、価格は24万円まで跳ね上がります。
ある家電量販店では、今年4月の売り上げが前年比4割アップになっており、駆け込み購入がすでに
始まっているようです。内閣府の発表によると、エアコンの平均使用年数は14年と言われています。
古いエアコンを使用している方は今年のうちに買い替えを検討してみると良いかもしれません。
以上、今週の会長の時間でした。









