こんにちは。 本日の会長の時間ですが、先日Yahooニュースで「AED」について気になる記事を見かけました。
タイトルは『ゴールまで1km、倒れた女性 使われなかったAED…「抵抗なくなる社会に」考え続ける家族』という記事です。
AEDについては皆さんはご存知だと思いますが、私は自動車学校かどこかで簡単な講習しか受けてないので詳しくはわかっていませんでした。
一応、AEDが何かと言いますと、AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、企業等、人が多く集まるところを中心に設置されています。
操作方法を音声でガイドしてくれるため、簡単に使用することができますし、心臓の動き(心電図)を自動解析し、電気ショックが必要な方にのみ電気ショックを流す仕組みになっているようです。
ただ、人命を救助する上で役立つはずのAEDが実際の現場で救護担当者が男性で倒れていた人が女性だったためにAEDを使用できず、胸骨圧迫(心臓マッサージ)のみの処置しかしなかったため脳の広い範囲に酸素が届かず、意識障害が残ったそうです。
12年前の事故ですが現在はまばたきで意思疎通ができるまで回復しましたが、体はほとんど動かせず、在宅で治療を続けているそうです。
なぜ女性だからAEDを使用できなかったかというとAEDは素肌に直接パッドを貼るため、衣服を脱がせたり、肌に触れることに抵抗があったからです。
また、セクシャルハラスメントで訴えられないか?という不安に思います。
実際、私がその立場であったらどうだろう?目の前でうら若き女性が倒れ、多くの人がいる中で救命処置ができるのは自分しかいない状況になった時、人命救助が一番と分かっていますが何のためらいもなく処置ができるだろうか?いやらしい気持ちはないけど周りの人はどう思うのだろう?と考えてしまうと思います。
2021年に旭化成ゾールメディカル株式会社が調査した結果では「もし、目の前で突然人�が倒れた場合、あなたはその人に対し、胸骨圧迫(心臓マッサージ)やAEDの使用などの救命処置ができると思いますか?」の問いに「できる」は21.1%、『できない」は46.1%でした。
また、「あなたが救命に関する知識を十分に持っていると仮定し、目の前で倒れている人が女性だった場合、胸骨圧迫(心臓マッサージ)やAEDの使用などの救命処置ができると思いますか?」の問いに対しては「できる」が32.8%、「処置をしたいが抵抗がある」が38.1%、「できない、したくない」が15.9%と54%の男性が躊躇する様です。
調査から4年経った今は「できない」割合は少し減ったと思いますが、まだまだ抵抗があるのには変わりはないでしょう。
実際は意図的に危害を加えるといった悪意がない限り、罪や責任を問われる可能性はありませんし、善意で人を助ける救命処置は刑法37条の「緊急避難」と民法698条の「緊急事務管理」にあたります。
まずは正確な知識を身につけることと臨機応変さを養うべきです。
下着をずらすなどしてパッドを素肌に貼ることができれば、服をすべて脱がさなくても使うことができます。
服を脱がせた場合でも、パッドを素肌に貼った後なら上からタオルや服をかけて隠すことも出来ます。
ほかにも、救助者が何人もいる場合は人垣を作って周囲の目から隠したり、救助の様子をスマートフォンで撮影しようとする人に声をかけてやめるように促したりもできます。
そういう知識を持っていれば記事になった女性も大事に至らずに済んだのでは無いかと思います。
AED講習会など人命救助に関わる講習会・勉強会をするのもロータリーの活動としては良いのでは無いかと思います。
以上、会長の時間でした。