今週の例会

第22回 6月20日(月)

会長の時間

 今日は米山記念奨学会についての私見を述べさせていただきたいと思います。
奨学生の楊さんがいらっしゃいますが、本人の了解のもとお話しさせていただきます。
欧米諸国はインフレが加速しているため政策金利を上げています。
日本はいまだデフレから脱却しようともがきながらゼロ金利を続けています。
その影響から半年で20円以上円安が進み、円の実質実効レート(通貨の実力)は1972年当時の低さに落ち込んでいるようです。
今春から長男がカナダに留学していますが、彼はカナダの物価に驚き、私は為替レートの関係もあり仕送りも想定以上にかかって苦労しています。
現在、日本の大学生の50%が奨学金を利用することで進学することが出来ています。
彼らは入学と同時に借金を背負い、卒業と同時に少ない収入の中から返済が始まります。
そんな状況から近年では奨学金破産も増えているそうです。
学業に打ち込みたいと思っても、奨学金だけでは足りず、アルバイトをしなければ生活が成り立たない状態です。
海外諸国は所得が増え日本人の所得は30年変わらず、円安も進み、留学なんて夢のまた夢、やっとの思いで大学進学をしているのが現実です。
みなさんもご存じの通り、米山記念奨学会の目的は、大変素晴らしいものです。
奨学生には大学生で月額10万、院生で14万の奨学金が最長2年支払われます。
地方であれば親元から仕送りなしで生活できる金額です。
楊さんをはじめ優秀な若者が、日本と彼らの母国との絆を一層強くしてくれることを考えればとても有意義で素晴らしい活動だと思います。
しかし、先ほど述べたように現状の日本の国力、若者の環境を考えたとき、米山奨学金の一部でも日本の若者のために使うべきではないでしょうか?
日本の若者が外国に出ることも留学先の国との懸け橋となります。
私たちが若いころは、日本は誇れる国でした。
戦争を乗り越え、素晴らしい日本を作り上げた先人たちに感謝するばかりです。
残念ながら、今の日本はそうではありません。
私たちは過去の幻影を引きずったまま、世界に取り残されつつあることから目を背けてきました。
この責任は、私たちの世代にあることを勇気を持って自覚する必要があると思います。
少子化という厳しい状況の中、」私たちロータリアンは、次の世代により良い未来を歩いてもらうためにも、自国の子供たちの支援に一層の力を注いでいくべきだと考えます。
大きな声にはなっていませんが、私と同じ意見を持つロータリアンは多いはずです。
ひとりでも多くの日本の若者にチャンスを与えてあげましょう。

例会の様子

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