会長の時間
今週の会長の時間は、DXについてです。
DXは、デジタルトランスフォーメーション(DigitalTransformation)の略で、「DT」ではなく
「DX」と表記されるのは、英語圏では交差するという意味を持つ「Trans」を「X」と略すことが
あるためと言われています。
DXという言葉を最初に用いたのは、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授で
2004年に発表した論文の中で、DXについて「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い
方向に変化させる」と記述しています。
また、経済産業省は、2022年9月に発表した「デジタル・ガバナンスコード2.0」において、
DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や
社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、
組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。
日本の企業におけるDXの取り組み状況は、企業規模や業界によって異なりますが、大企業
(従業員数1000人以上)においては96.6%が取り組んでいるそうです。反対に中小企業に
おいては44.7%しか取り組んでおらず、大企業に比べて格差が大きくなっています。
弊社においても1年半ほど前から、生産性向上・業務効率化に重点を置き取り組みを始めました。
具体的に一つ紹介しますと、現場ごとに着工前から各工種の施工状況・完了までを写真に
収めるのですが、平成の初期くらいまでは写真を現像して1枚ずつアルバムに差し込む作業で、
現場によっては写真の枚数が1000枚を超えることもあるので、とても骨の折れる作業でした。
そこから、デジタルカメラを使用してパソコンに取り込み、エクセルシートに貼り付けるなどの
作業を経て、現在では、あらかじめパソコンにデータを入力しておいて、現場で専用のアプリを
ダウンロードしたスマートフォンやタブレットで写真を撮ると、自動でパソコンに送られ、工種ごとの
振り分けまでができるようになりました。
この写真整理だけでも、1年間で20代の平均年収分くらいの削減が見込め、業務日数に
置き換えると職員一人当たり20日程度の削減になり、浮いた日数で別の業務にあたることが
できるので生産性向上や売上向上に有効な手段になっています。
週休2日制や残業規制といった働き方改革の対策や、今後10年20年先の人口減少、
また新型コロナウィルスのような感染症がいつ起きるかわからない状況で、デジタル化は企業に
とって有効な武器になると思います。
まだまだ第一歩を踏み出したばかりなので、また進歩があった時には紹介させていただき
たいと思います。
以上、今週の会長の時間でした。








