先週の金曜日に商工組合中央金庫ユース会の全国大会が宮城県仙台市で開催されました。政府系金融機関として中小企業融資を行っているこの金融機関は、全国の支店に取引先の中小企業若手経営者の育成を目的としたユース会という会員組織を持っています。毎年全国の会員が一堂に会するこの大会は、東北地域のユース会が震災から2年目に復興を誓い企画され、今回2,000名もの会員が集まりました。全国からの支援や人とのつながりや絆の大切さへの感謝を伝えたいというおもてなしの気持ちと、経営者として社員と共に地域の再建のために立ち上がってきた強い思いに触れることができました。
東日本大震災からあと半年も経たずに5年を迎えようとしています。
翌日、仙台から車で約50分の日本三景の松島に行き、漁業組合が経営する食堂で名産の生牡蠣、焼きガキやサザエをいただきました。食堂の奥に神棚があり、そのすぐ下にここまで津波がきましたとの目印があります。ちょうど人の身長くらいでしょうか、自然に震災時の話になりました。松島の人たちは、子供の頃から地震があったらすぐに高台に逃げなさいと言われ続けていたそうです。松島の素晴らしい景観を守る為、当然堤防などはありません。逃げるしかないとの選択が、地震後すぐの避難行動になったそうです。遠浅の海と松島湾内に点在する260もの島々が津波の勢いを弱めたのではと言っていました。それでも港の船が陸に打ち上げられ、破壊された街を見て、膝から力が抜けて崩れ落ちたそうです。今では、本当に震災があったのかなと思うほど綺麗な街並みになり、多くの観光客の人々が戻ってきて、震災前のにぎわい以上になっています。また、東北の高い堤防に守られた地域ほど避難が遅れ、多くの犠牲者が出たのではないかとも言っていました。何かに守られているという意識が、大丈夫だと思いたい人の心に作用し、避難を遅らせてしまったのでしょう。このことは、経営者として、いつも想定外のことが起こりうることを肝に銘じ、いかに安全を優先するかの大切さを考えさせられました。
この話題に関連しますが、先月皆様にご協力いただいた「ロータリー希望の風奨学金」の寄付を送金しました。お礼の手紙も届いています。震災から22年後まで子供たちの学業を支援する活動も復興のための一助です。ポリオ撲滅同様に、ロータリーの青少年奉仕の一環として末永く取り組んでいきたいと思います。重ねて皆さまのご協力に感謝します。ありがとうございました。