私は小さい時から、祖父、父と一緒に大相撲を見て育った、巨人、大鵬、玉子焼きの世代です。そういう影響もあったのか中学生時代に相撲部に入っていました。出身地の宇佐市は相撲界で前人未到の大記録、69連勝で知られる昭和の大横綱「双葉山」の出身地でもあり、相撲が盛んな土地柄で中学校には土俵がありました。双葉山は右目が半失明状態であったことや、69連勝で止まった時には「いまだ木鶏に及ばす」と常に努力と謙虚さをもった横綱でした。私はどちらかというと細身の体で押し相撲ではなく投げ相撲が得意でした。双葉山杯では個人で優勝し、九州大会でも個人で2位になるほどまあまあ強いほうでした。
そんな生い立ちがあることから、先日、琴奨菊関の引退、親方襲名披露、断髪式に両国国技館に行き、大いちょうにハサミを入れてきました。琴奨菊関は柳川の出身で大関まで昇りつめ、10年ぶりの日本人優勝やガブリ寄り、琴バウアーで有名な関取でした。最後の一番では5歳と1歳のお子さんと対戦しました。元横綱の白鳳や照ノ富士関など約300人ほどがハサミをいれ、感動的な体験でした。また、相撲が古いしきたりの国技であると思ったのは、琴奨菊関のお母さんがハサミを入れるときは土俵の下にすべてを移動してハサミを入れていたのは改めて驚きました。女性は今も土俵には上がれないようです。いろいろと問題も抱えて、改革も行われており、賛否両論はあるかと思いますが、伝統を重んじる角界を見てきました。