ロータリーにおける Service(奉仕) を深堀したいと思います。「サービス(職業サービス)」という言葉をロータリーに持ち込んだのが、アーサー・フレデリック・シェルドンです。
当時のシカゴの商取引は「騙すより騙された方が悪い」、「同業者はすべてライバル」、「法さえ犯さなければ何をやっても良い」といった荒廃した、職業モラルもない状態でした。しかしその中でも、顧客を増やし継続し発展している店があり、そこには幾つかの共通点があることにシェルドンは気づきました。それがサービスということでした。シェルドンが言ったサービスは次の通りです。①適正な価格 ②経営者・従業員の接客態度 ③品揃え ④公正な広告 ⑤取扱商品に対する知識 ⑥アフターサービス
今のサービス業界では当たり前のことばかりですが、詐欺まがいの商売や誇大広告の溢れていた当時ではとても重要な考えでした。このように、様々な場面でのサービス向上を考えると、それは顧客満足度を高めるためのもので、価格に転嫁されてない職業サービスと言えるます。共通して言えることは、顧客満足度を上げてリピーターを獲得することに繋がっています。当時、ロータリーにおいて「サービス」という言葉は、正しいビジネスの方法を示す中核概念だったのです。「サービス」という言葉は、現代日本では「値引き」「おまけ」「無料」などの軽い意味で使われることが多く、また、「商品」(モノ)に対して人的労力の提供を「サービス」と呼んでいます。しかし、ロータリーのいう「サービス」にはもっと深い意味が込められています。
「社会に役立つ価値を提供すること」「世のため人のために尽くすこと」 ロータリーは、事業および専門職務の代表者の集まりですから、その「サービス」は先ず自らの職業で発揮されることになります。それを「職業奉仕」と呼びます。自らの職業のサービスのレベルを高め、社会に貢献できるよう努めることが、ロータリアンの最優先課題といえると思います。
職業サービスをロータリアンとして実践するには、広告内容、品揃え、サービスの向上、利益の適正配分、その中でも、従業員教育が重要であるということになります。接客態度、言葉づかい、商品知識など、職業サービスとは何かを教育することで、顧客の満足を意識した職業サービスを心掛けるということです。
今でも、売上や利益のために初段を選ばないことで、会社の不祥事の記事は新聞をにぎわせていますが、ロータリーでいう「サービス=世のため人のために役立つ」には高いモラルが要求されるということです。改めてその考えに共感しました。