先日、京セラを創業された稲盛和夫さんが逝去され、いろいろなメディアで取り上げられました。尊敬する経営者の師匠の一人です。
京セラを一代で売上高を約1.6兆円の大企業に育て上げ、KDDIの前身である第二電電を立ち上げたり、倒産した日本航空を再建、再上場たり、その経営手腕は素晴らしいものだと思います。
私が初めて稲盛さんを知ったのは24歳の時でした。プレジデントという経済紙を読んでいた時に稲盛さんの記事があり、そこに書いてあったほんの数行の言葉が私のその後の人生観の根っ子の部分になっています。その後も多くの書籍を読み経営の参考にさせていただきました。また、1959年に京セラを創業したということで、私も1959年生まれなので、かってにご縁があると思っています。
私は稲盛さんの立ち上げた盛和塾には20年くらい前に入塾し、その経営手腕を学んできました。盛和塾に関しては一部で稲盛教だという人がいるように、稲盛さんにほれ込み、全国の講演を追いかけまくっている塾生も数多くいました。それくらい人間的にも魅力のある経営者でした。夜の懇親会では、地方の小さな中小企業の経営者が膝をつきあわえて、世界の大企業の社長と経営問答できるのですから、めったに経験できることではありません。経常利益率10%くらいでは「お前、何やっとんのや、そんなんで浮かれるな、20%を目指さんかい」と厳しく叱られたりと、経営に対しては大変厳しい方でしたが、利他の心を大事にして、愛情や茶目っ気といった人間味もある人柄でした。松下幸之助さんが講演会でダム式経営の話をしたときに、参加者の質問に対しての回答で「まずそう思わなあきまへんな」という言葉を聞いたときに、体中に電気が走ったという逸話にはおどろかされます。何か大きなことを成し遂げる人はこういう感性を持っているのだろうと思います。
肉体はいつか朽ちていきますが、魂の言葉はこれからも多くの人に引き継がれていくと思います。「真摯にして奢らず、さらに努力を」この言葉を忘れずに努力していきたいと思います。
ご冥福をお祈りします。