「ロータリーの友」4月号のRI会長メッセージは「ワクチンの素晴らしい効果」です。「確かなことは何一つないこの世の中で、ワクチンは、『子どもたちを一生守る』という素晴らしい贈り物を与えてくれます。ポリオやほかの予防可能な疾病からすべての子どもたちを守るために共に活動することで、ロータリーは真に『人類に奉仕』しているのです。」と結んでいますが、その前段で、「健康な未来への最大の可能性をあらゆる子どもに与えるために、どの地域でも、定期的予防接種が重要であることに変わりはありません。」と述べ、予防接種の重要性を取り上げています。
このことについて、私は小中学校の同級生を思い出します。去年の正月に同じく小中学校の後輩からその同級生が書いたという「9月の風」という本をもらいました。彼は小児マヒの後遺症で松葉づえをついていました。本の内容は、本の帯に、「身体的なハンディを抱えながらも、持ち前の負けん気で困難に挑戦し、カメラマンとして自立した著者。両親の愛情や仲間たちの友情に支えられ、学業に、恋に、仕事に、ひたむきに生きてきたその半生を振り返る。」とあります。すぐに読んでみました。9年間一緒だったのですが、こんなに努力をしているとは知りませんでした。
と言いますのも、子どもの頃は松葉づえをついていても可哀そうとか感じることもなく、普通に付き合っていて、中学校からの帰りによく将棋を教えてもらったのを思いだしました。棒銀を覚えたのも彼からです。子どもの頃は小児マヒの子どもがいても可哀そうとも思わず付き合っていましたが、この年になると可哀そうだなと思う感情が出てくるのはどうしてでしょう。津田さんも同じことを言っていたので、私だけがおかしいわけではなさそうです。
本の一部に、「私はいつしか、女性を好きになっても思いを告げられなくなっていた。『身体に障害がある私に好かれても迷惑だろう』・・・・たまに頼られたりすると全力で尽くしたくなるが、それはやりすぎになり、・・・・ほどほどに『余裕』が持てるまでにはかなり時間がかかった。」とあります。このように病気、あるいは経済的事情で自分のやりたい事や思いを諦めさせてしまうのは残酷なことだとあらためて思います。
彼は3歳ころに罹患したそうなので、63年前ということになりますが、その頃にポリオのワクチンがあり、予防接種のシステムがあればこんなことにはならなかったのにと、残念でなりません。最後に「9月の風」はなぜ9月なのでしょう。知りたい方は本を読んで下さい。