先週お話した「ロータリーの友」8月号に、最年長の新会員の歳が載っています。なんと90才の女性会員ということです。職業は現役の歯科医です。90才で入会、現役の歯科医どちらもすごいですが、一人で路線バスに乗って例会に来るというのも驚きです。低床式のバスだったら良いのですが。
前の職場のオアシスにいた時に、「大道入口」の交差点でおばあさんが信号を渡り切れなくて小走りになる場面を何度か目にして、危ないなと思っていました。信号の緑の時間が短いためです。他にも同様な交差点があるかと思います。
平成26年に「大分市バリアフリー基本構想」が制定されています。これは、施設や道路、施設までの交通手段を含めて、「高齢者、障がい者等の移動等の円滑化を促進する」のが目的です。建築物についてのバリアフリー化を目指したハートビル法というのは皆さんよくご存知だと思いますが、それに旅客施設と公共施設を結ぶ経路についてのバリアフリー化を目指した交通バリアフリー法が統合・拡充されて、「高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」いわゆる「バリアフリー新法」が施行されたのを背景として策定されたものです。
身近な大分市を例に具体的に言えば、郊外に住む高齢の方が、県立美術館の催しを見たいと思い立ったとします。まず家から駅までは車で連れて行ってもらえるとしてOKでしょう。大分駅に向かうのに郊外の駅を利用するのですが、最近の駅はELVがあるので電車に乗るのも大丈夫でしょう。大分駅に着きました。ここから美術館に行くのに2通りの手段があります。バスに乗るか、歩くかです。バスに乗るとしたら、高齢者には低床式のバスでなければ乗り降りが大変です。車椅子の方でしたらリフト付きバスでなければ無理です。歩くことを選ぶ人もいるので、道路を整備しなければなりません。歩道を有していれば良いのですが、有ったとしても車椅子の方でもスムーズに行けるように、横断歩道には段差がないようにしなければいけません。歩道橋なんてもっての他です。そして横断歩道の信号の緑の時間が、そのような方々が渡り切れる時間設定になっていなければ意味がありません。どうもそこまで考えているようには思えないのですが。美術館に着けば、館内はバリアフリーになっていると思いますので、館内を見て回るのは支障がないでしょう。トイレについても美術館内のトイレはバリアフリーになっているので問題ないでしょうが、経路の公衆トイレもバリアフリー化が求められます。
実際にこの取り組みはスタートしていると思っているのですが、一度施設及び経路がバリアフリーになっているかどうか眺めて見て下さい。しかし環境整備は手段であって、「障がいの有無や年齢に関わらず、安心して生活が出来るようにする」のが目標ということを念頭にして我々も活動したいと思います。