本日は「大分の経済の現状と課題」と題し、大分商工会議所及び大分県商工会議所連合会会頭 姫野清高会員の卓話です。去年の大分駅のリニューアル、東九州自動車道の大分宮崎間の開通、大分県立美術館の開館など大きな変化を遂げた大分について解説していただきます。よろしくお願いいたします。
さて、3月1日の大分高等学校卒業式に大分臨海ロータリークラブを代表し、参加してまいりました。厳粛で清々しい空気の中、卒業生一人ひとりに校長である小山会員より卒業証書が手渡されました。これから社会に旅立つ若い人たちのまっすぐに向いた姿勢とまなざしに、心から「これからも頑張れ」と応援したい気持ちでいっぱいになりました。
また、自分にもこんな日が35年前にあったことを思いだしました。いつも当たり前のように学校に行き、教室に入ると友達がいる。その日常が卒業することで当たり前でなくなってしまうこと。これからの自分の人生の次のステップに向けて誰もが悩み、考え、どう進んでいくのかを決めていく分岐点に立ったことへの不安と期待。いつも親に守られていた生活から、一人になることで感じた自由と開放感、そして孤独と寂しさ。自分の責任で一つ一つ決めていくことが、これからの結果に繋がっていくという実感。大人になることへの第一歩です。思い出すと心が切なくて、なぜかドキドキしてしまいます。
そんな無数の選択と決断の結果として、今の私たちがあります。いつしか親として子供や孫の旅立ちを見送る側に立ち、応援しながらも、何かあったらいつでも帰って来られる場所でありたいと思っています。これが日々のずっと続いていくことが私たちの営みであり、本当に幸せなことだと思います。
ここで子供が巣立っていく卒業とは違い、その幸せが一瞬に消えてしまうことがあることも指摘しなければなりません。それが来週にも発生してから5年になる東北大震災です。学校に行って友だちと遊ぶこと、家に帰れば家族がいること、一緒にご飯を食べること、家があること、当たり前だと思っていたことが、本当はかけがえのない幸せだということを教えてくれました。その震災の記憶を風化させることなく、またひとりでも多くの子供たちが自分の人生を思うように進んでいけるよう「ロータリー希望の風奨学金」をこれからも応援していきたいと思います。「普段の当たり前の生活の幸せ」を大切にして、一緒に前に進んでいきましょう。