皆さんご存じの通り、7月9日安部元首相が凶弾に倒れ、日本におけるリーダーの一人が死去されたことに対しお悔やみ申し上げたいと思います。
今日は日本の税収についての話です。2021年度の国の一般会計税収が約67・0兆円となり、2年連続で過去最大を更新することが発表されました。コロナ禍からの世界的な景気回復を背景に、企業業績や所得環境が改善し、所得税、法人税、消費税の「基幹3税」はいずれも増収となりました。
所得税収は前年度比2・2兆円増の21・4兆円、法人税収は2・4兆円増の13・6兆円、消費税収は0・9兆円増の21・9兆円でした。円安の進行で輸出企業を中心に業績が好調だったほか、飲食や旅行といったサービス消費も徐々に回復したようです。
政府は21年度当初予算で税収を57・4兆円と見込んでいましたが、企業業績の回復などを受け21年11月に決定した補正予算で見通しを63・9兆円に引き上げていました。これまで最大だった20年度決算の60・8兆円からは、6・2兆円増えることになります。
ただ、税収が見積もりを上回ったとは言え、昨年度は新型コロナ対策として合わせて36兆円規模の補正予算を組んだ結果、一般会計の総額は140兆円を超えていて、依然として、60兆円程度を新規の国債発行で賄う厳しい財政運営が続いています。国の借金は1026兆円に膨らんでおり、借金を次の世代に残していく現状では日本の未来は明るいとはいえません。
税理士である私が言うのもなんですが、税金の使われ方に大きな問題があるにしても、企業や個人が納税することは大きな社会貢献の一つと考えています。企業であれば利益の32%ほどを納税するわけですが、二宮尊徳氏の四綱領のひとつである「推譲」、つまり「人に譲る」「社会のために役立てる」ということです。現状では法人の30%しか納税していないことを考えると、日本の借金はいつになったら減るんだろうと憂えています。